March 03, 2005

『理由』宮部みゆき。

ファンタジーノベルとかサスペンス、ミステリー系は滅多に読むことがなくて、出たら必ず読むのは桐野夏生と高村薫ぐらい。この二人をサスペンス作家と一概に言うことはできないと思うけど、少なくとも純文学ではないのでしょうね。高村本人は純文学を主張しているようだけど。

宮部みゆきを読むのは10数年ぶりで、『模倣犯』が出て爆発的に話題になっていた頃も、ああ、なんか騒々しいことになってるなあ、ぐらいにしか受け止めていず、日本映画にもとんと興味が持てなかったので森田の映画が公開されても気を惹かれるものは何もなかったのが事実。
タイミングって、やっぱりありますよね。メインストリームから遠く離れた生活をしていると、どうしてもやっぱり(笑)

で、昨年末大林が映画化したということで(大林は好きではないけど)、ふーん、とか思って、どうしたわけか今回はすっと文庫本を手にとってレジに向かってしまっていたのでした。
なんでだろう.....うん、やっぱりタイミングだよな。
読みたい! と強烈に思ったわけでもなく。

一気に読ませます。澱みも破綻もまったくないです。呆気にとられる筆力。
なんか、クーンツの『ストレンジャーズ』とかマキャモンの諸作品を思い出させます。いや、内容が、ではなく、読ませ方が。
登場人物の数がハンパではないし、700ページ近い長編ですが、丁寧に書き込まれて倦むことはありません。読むに値する、なんておこがましいことは言えないけど、読んで損はしないかな。

ただ、なあ....
高村薫や桐野夏生に浸った経験がある読者には、リアリティに欠けるように感じるかもしれない。とくに、会話の部分において。読まれた方にはなんとなく分かると思うのですが。
好みの問題ではなく。
逆に、高村や桐野の方が、むしろエンタテインメントなのかもしれない。
あるいは地方出身者が関西に長く住んでいる者(私です)が感じる、方言に対しての距離感のせいかもしれない。

映画でのキャストが凄い。松田美由紀、岸部一徳、小林聡美、菅井きん、渡邊えり子、柄本明、山田辰夫(!)、麿赤児、石橋蓮司、立川談志、左時枝、根岸季衣、勝野洋....
カメオ出演も錚々たるメンツらしいのでDVDが出た暁には是非観ようと思っているのだけど。

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