『運命を分けたザイル』
この話は以前聞いたことがあったけど、結末までは覚えてなかった。いや、その時結末まで押さえていたかどうかさえ定かではない。なにしろ20年近く前の実話だ。

ペルーのシラウ・グランデの頂を極めて下山途中、サイモンのパートナー、ジョーは大腿部を骨折負傷。ザイルを頼りサイモンがジョーをに懸垂下降している最中、ジョーは氷壁を滑降し、宙吊りになる。その下はクレバスだ。吹雪の中でジョーの声はサイモンに届かない。
サイモンにはジョーがどういう状況にあるのか知りようがない。ジョーからの合図を待ちながら吹雪のただ中、自分の足場も悪くなり始めたことに危険を感じ、1時間半待ったあとで、二人もろとも死に行くよりはとザックからナイフを取り出し、ザイルを切断する。
冒頭から、本人らがインタビューに登場してきたのでびっくりした。
ということは結末として、二人とも生還できたというわけだ。
実のところはジョーがこの時のことを本に書いて(14ヶ国で翻訳)、それが映画化されたわけなのだが、その経緯のことはまったく知らなかった。
多分、知っていても、この映画の凄味には度肝を抜かれる。観ている間中、身体のどこかしらに力がはいっている自分に気づく。息つくいとまがない。握っていた拳を開くと汗がにじんでいたなんて、大人になってからは記憶にない(笑)
クレバス内部を始め、雪山のシーンは全てロケ。偉容シラウ・グランデの美しさは、恐怖でしかない。
絶望的なほど意志の強いジョーの思考回路と行動力には呆然とするしかない。パニックに陥っていない限り、ときには人間的な涙を見せたりもしたが、超人的な集中力と体力でクレバスの向こう側に出てしまう。そこからがまた地獄の道程で、あまりの渇きに水の流れる幻聴を聞いたりとかするけど、結局はキャンプに辿り着く。バカじゃねえのかコイツは....の後が続かないタフさ。
ロケについても、当事者の行程についても、渾身の、という形容以外、他に言いようがない。
ヘルツォークの『彼方へ』(1991年)という、これも南米のパタゴニアを舞台にした傑作映画があったけど、もう一度、観たくなった。
Posted by kiku999 at 23:39│
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1985年、イギリスの登山家ジョー・シンプソンとサイモン・イェーツは、ペルーのアンデス山脈にある標高6600メートルのシウラ・グランデ峰に挑んだ。前人未到の西壁側を進路に選び、見事登頂に成功するも、下山途中で嵐に遭い、足場が崩れ滑落したジョーは片足を骨折。サイモ
「運命を分けたザイル」【the borderland】at March 22, 2005 00:14
想像以上に厳しいサバイバルで、実話だなんて、信じられなかった。ジョーとサイモン。生還劇の当事者が静かに語る言葉が、とても重かった。ザイルを切る時のサイモンの心理。もし私が彼だったら、どうするだろう?死の恐怖、絶望、孤独感と戦いながら、最後まで決して諦め...
★★★★「運命を分けたザイル」ジョー・シンプソン、サイモン・...【こぶたのベイブウ映画日記】at April 12, 2005 14:05
標高6000m。下山途中の事故。1人は骨折し宙吊りに。ザイルで繋がれた2人。無事に下山出来るのか?
実際に起きた真実の物語。『運命を分けたザイル』
イギリス人の登山家ジョー・シンプソンとサイモン・イェーツはペルーのアンデス山脈にある標高6344mのシウラ・グラン
『運命を分けたザイル』2005年43【映画とJ-POPの日々】at May 01, 2005 12:22
このザイルを切らなければ、ふたりとも死んでしまう・・・(予告編より)
「バーティカル・リミット」!?って思いました。
予告編の感想についてはコチラ → 次回予告を見逃すなっ!
予想と全然違ってましたケド。<予想とは裏切られるためにあるのだよ
友人の生
運命を分けたザイル【世界は映画でまわってる。】at June 05, 2005 13:54
2004年英国アカデミー賞最優秀イギリス映画賞受賞作。 場所はペルーのアンデス...
運命を分けたザイル【White Screen Life】at November 01, 2005 18:23
運命を分けたザイル
世界中で大ベストセラーを記録したノンフィクション文学「死のクレバス アンデス氷壁の遭難」をケヴィン・マクドナルド監督が完全映画化。実際に遭難を経験したジョー・シンプソンとサイモン・イェーツが出演。 yahoo
死の淵から奇跡的に生還した本人....
運命を分けたザイル 06年8本目【猫姫じゃ】at January 23, 2006 15:34
たびたびトラバありがとうございます。
アンデスのロケ。これにつきます。本物の迫力があったからこそ、画面通じて伝わってくるものがあったと思います。これがCGとか、スタジオ撮りなら、実話に映像が負けてしまっていたでしょうね。
TBありがとうございました。
ロケの映像は本物がかもし出す迫力に満ち、体当たりの演技も痛いぐらいに迫力がありました。
正に「真実に勝る創作なし」。
よい作品でした。
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