年に15本程度しか観ることもなくなったのですが、それでも敢えてベスト5(笑)
旧作のDVD鑑賞も含めれば相当数になると思うのですけど、DVDのものでは次点としてアラン・パーカーの『ライフ・オブ・デビット・ゲイル』が入るくらいか。これは哲学者が書いたという脚本と、ローラ・リニーが素晴らしかったですね。『ミスティック・リバー』での彼女には気負いのようなものを感じで暑苦しかったのですが、どこか達観した佇まいを表現すると、もう絶品。
で、ベスト5。
1.『父帰る』アンドレイ・ズビャギンツェフ 。
言葉(会話)が欠落しているということからくる圧倒的な存在感。
父性とは幻想の中にはないことを再確認させられる。
映画の可能性。
2.『モーターサイクル・ダイアリーズ』ウォルター・サレス 。
マチュピチュを筆頭に、南米の自然の雄弁さ、サレスの色彩感覚。
一切の偏見を持たない人から得られるカタルシス。
3.『エレファント』ガス・ヴァン・サント。
酔うほどに流麗なカメラワーク。
『月光』から『エリーゼのために』への流れ。
説明的な表現を排除して何が表現できるかという部分においての、ガスの自信
たるや、もう。
4.『ロスト・イン・トランスレーション』
フェロモン女優スカーレット・ヨハンソンと相変わらずとぼけた味わいの、ど こか真摯さがにじむビル・マーレイという、キャスティングの妙。
心許ない状況での、人肌の恋しさ。
ロキシー・ミュージック。
5.『21g』アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。
皮膚呼吸もままならくなりそうな、俳優たちの息づかい。
今後これ以上、どう凄惨な物語を描いていこうとしているのか、イニャリ トゥ。
あと、フィッリプ・ロス原作の『白いカラス』も印象に残っているのですが、私にはニコール・キッドマンはダメだ、やっぱり(笑)