June 06, 2005

愛と幻想のW杯最終予選。

第三国で迎える次の北朝鮮戦で本戦行きが決まる可能性が高くなったけど、普通なら熱狂の歓喜のシーンとなるところが、どうだ、臨場感も何もないただっ広いひと気のないスタジアムで淡々とにこやかに、というオトナな風景になってしまうのか。勝利を共有できるサポーターは一人もいない。スタジアムを出たら現地で待ちかまえたサポとのささやかな熱狂があるのかも知れないけど。
つくづくリアリティのない風景だな。

で、バーレーン戦のことを少し。
浦和御殿さんのところにもありましたけど高いDFに苦しんだホーム戦での教訓からか、3-6-1というより実質1シャドウの3-7-0。それだけFWが信用されていないということもあるのだろうけど、先のUAE戦で決められなかったことで、もう大黒は見捨てられたのか。
あるいは久保の不在であることの存在感、大久保のぞっとするような切れ味を、今この時点でジーコはどう評価しているのだろう。
しかし3-7-0かよ....小学校の授業のサッカーじゃあるまいに。

アレックスのプレーの不正確さとパスミスには目を覆うばかりで、全体的にも横パスとバックパスの多さには身悶えするほど。結果的にはアレ→福西から田中誠へのサイドチェンジ気味のバックパス、一気に縦へ柳沢→中田→中村(この柔らかいヒールは素晴らしかった)→小笠原とコンパクトに繋がれてゴールをこじ開けられたけど、この日のバーレーン相手だったからこそできただけのハナシで。

得点した小笠原が「(小野)伸二や出れないチームメイトのため」とか言っていたようだけど今回代表に選ばれてもいない精鋭たちにとってはそんな同胞意識はどうでもいいことで、見えてこない飢餓感に苛立ちを感じていることだろう。ただひとり中田だけがいつになく言葉においても饒舌で、危機感からくる使命というようなものがプレーに出ていてどんな辛口のサポーターも納得できる代表ぶりだったことは、救いか。
アレックスと玉田、鈴木、本山は早々に外してもらいたいものだけど予選期間中はもう無理。一度代表から外すことで飢餓感を覚えさせ、奮起するというショック療法ではまだ生ぬるい。イラン戦が終わったあとに一度、チームの成熟という要素を無視してでも解体してくれないものか、といつものように叶わぬ願いをかけてみるのだ。

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