July 26, 2004

『午後の五時』『ハナのアフガンノート』覚え書き。

午後の五時』は撮影当時22歳のサミラ・マフマルバフの作品で、『セプテンバー11』にも出品したことのあるイラン人女性監督。『ハナのアフガンノート』はその妹、ハナが13歳の時カメラを回した、『午後の五時』の出演者に関するスカウティングビデオ。 カンヌで審査員大賞を獲ったらしいけど、普段なら観たいという気にもなれない、こんな映画があるってことにさえ気付かずに通り過ぎてしまう種類の映画で、たまたま山本芳幸の『カブールノート』をとても面白く読んだばかりで、山本の描くアフガニスタンの廃墟と化したカブールの描写と国連関係者のことも含めてその土地に生きる人々の叩かれてもタダでは起きない、同時に死に親しんだ生き様がとても印象に残っていて、それで最終回、レイトショーとハシゴしてみる気になったのでした。 もっとも、昼間に『ロスト・イン・トランスレーション』を観に行っているので、この日3本目。 風邪でしんどいし、首が動かないのに....ただのバカかかもしれんが。 みずみずしいです。 22歳なのに、よりによって何でまたアフガンで? もっと色気のあるとこで撮れよ(『ハナのアフガンノート』観たらわかりますが、すっげえ美人)、って気もしますが、色彩感覚がほんと、みずみずしいです。ただ、ひとりのアフガン女性の「社会的目覚め」とロルカの『午後の五時』という詩をモチーフに極貧のただ中での苦悩を描ききったマフマルバフ姉のドラマより、ありのままのアフガン市民の表情を淡々と素直に、でも13歳らしい好奇心に満ちたパワフルさで撮りあげたマフマルバフ妹のドキュメンタリー映像の方が僕にはずっと面白かった。だいたい、原題が "joy of madness" やし(笑) ただし。 現在のメディアの文脈ではタリバンは非難されてしかるべきだろうけど、本来はもっと複雑で一筋縄ではいかないはず。この映画でも、オフィシャルサイトでも女性の迫害者としてしか描かれていず、歯がゆいものが残る。少なくともタリブ(イスラム教神学を学ぶ神学生)たちが歴史に登場しなかったらアフガニスタンは略奪・殺人・強盗・強姦が繰り返されるばかりの荒廃した土地のままで、ブルカをはずして顔を見せる今の女性は出てこなかったはずだ。逆説にはなるけど。

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この記事へのコメント
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『午後の五時』『ハナのアフガンノート』はとても楽しみに
しています。しかし13歳の妹まで映画を撮るとは、流石ですね。

セディク・バルマク監督の『アフガン零年』はご覧に
なりましたか?これも1人のアフガンの少女が女であるという
ことだけで悲惨な人生を辿っていくのを淡々と撮ったものですが
同じ女性としてあんなに辛い映画は久しぶりでした。タリバンの
実態については不勉強なので何とも言えませんが、まだまだ
女性差別は根強い問題であるようですね…。
Posted by at July 28, 2004 23:07