August 30, 2004

『ステップ・イントゥ・リキッド』

波が、一瞬にして、ギアナ高地の隆起を造形するのだ。 

映画のラスト近く、撮影クルーとサーファーたちはボートでサンディエゴ沖合160キロのポイントに向かう。岸辺から数百メートル、ではない。沖合160キロの海のど真ん中である。風、引力、海流、海底地形などの要因がどう組合わさればこういうことになるというのか。そこで不吉な基調低音とと共に、ぶわん、と海がギアナ高地のように隆起するのだ。

恐怖とカタルシス。
それをサーファーはいっぺんに味わうことになる。当然カメラも同じ目線に構えている。それが朝から夕方までずーっと続くのだ。もう、ドーパミン垂れ流し状態。
酔狂といえば酔狂だろう、ただサーフィンのためだけに。でも、サーフィンのために。

サーフィンが絡む映画といえば、ミリアスの『ビッグ・ウェンズデー』、キャスリン・ビグローの『ハート・ブルー』、北野武の『あの夏、いちばん静かな海』を思い出します。『ステップ・イントゥ・リキッド』、これ以上ないタイトルですね。
『ハート・ブルー』なんて、原題は "BREAK POINT" で、そのまま使ってくれよと嘆きたくもなる邦題でしたが。

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