May 21, 2004

ネット音楽配信への希望。

エニーミュージックやエキサイトでの音楽配信のニュースが続いた中で、スティーブ・ジョブズが小さくはない日本のPC市場に対してどう動くのか、iTunesによる配信は凍結させてしまうのか、気になる今日この頃。
誰かが書いていたのですが、日本でにはレンタルというビジネスが成り立っているからネットを通しての配信は長期戦略として確かに旨みを見いだしにくいと思う。
レンタルでは新譜(アルバム)が400〜500円で借りられるから、曲単価としてはネット配信より遙かに安い。著作権保護がどうこうという問題はたしかにあるのだろうけど、単価によるこの違いを元にしてジョブズとアップルジャパンとで事を進めることはできないものか。
ただ、「音楽を聴く」ということにおいて、ネットによる配信を最もよく利用する人たちというのは、主にアルバムの中のシングルカットされた曲を聴く人たちだろう。彼らはアルバムをレンタルするなんてことは滅多にしないのかもしれない。アルバム全曲を入手して聴きたいというのならレンタルする方が圧倒的に安い。因みにiTunesにおけるアルバム全曲の購買価格はだいたい10ドルだ。この差は大きい。

もうひとつ僕的に気になるのは「曲を買う」ということが「時間を買う」ということにならなければいいが、ということ。ポップスやロックはもうほとんど聴くことがなくなって、ジャズを中心にハウス、テクノ、クラシックに落ち着いてきている。要するに、「4分を買う」にはムリがある。交響曲1曲は40分前後が多い。その1曲もポップス1曲と同じ値段で買えるのか? iTunesでクラシックについてはまだ全部確認していないのだけど、買えなきゃおかしい、とは思う。1曲というのはあくまで1曲であって、フルトヴェンクラーのモーツァルトSyn.39の第2楽章だけを買いたいなんて人はまずいないだろう(いや、いるか?)。ポップスの1曲もモーツァルトの交響曲も好きで聴く者にとってはそれぞれに等価なのだから。
40分の交響曲をダウンロードするのに僕の環境ではどれくらい時間がかかるのか気になるところではあるけれど。

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